2026年9月24日、7人組のアイドルグループWEST.が、9月30日でグループ活動を終えると発表されました。

2026年8月30日にメンバーの藤井流星と小瀧望の脱退が発表されてから、25日後の知らせです。

2人が抜けるはずだったグループが、2人が抜ける前に、7人のまま終わる。

解散するなら、どうして脱退だけ先に言ったのか。

そして、どうして5人では続けなかったのか。

ひとつめの答えは、脱退の発表のわずか6日前に締め切られていた、合同フェスのチケット代の支払いの中にありました。

ふたつめの答えは、このグループのデビューが決まったときまでさかのぼると見えてくるんです。

今回は、脱退の発表が先になった理由と、7人のまま畳むことになった理由、ファンクラブの会費の返金まで、わかりやすく解説していきたいと思います。


答えは8月30日の発表文

脱退の時期が決まる前に知らせた理由は、8月30日に事務所のSTARTO ENTERTAINMENTが出した発表文に、ちゃんと書かれていました。

「両名の決断に伴い、今後予定されている活動や出演について関係各所との調整が必要となることから、正式な脱退時期の決定に先立ち、ご報告することといたしました」。

理由は、この一文だけ。

2人が抜けると決まった以上、すでに決まっている仕事の相手に話を通さなければならない、というのが発表文の説明です。

 

残る5人については「協議を続けております」。

その夜、発表文を読み終えた人は、こう書いています。

活動終了を伝えた9月24日の発表文にも、話し合いには「5名での活動継続を含め」た道があったと書かれていました。

決まったのは脱退が先で、解散があと。

7人がブログや動画で話した言葉と、終わりが決まるまでの流れは、こちらでひと続きに読めます。

WEST.解散の理由は結婚?7人の言葉と脱退発表が先だったわけ
WEST.解散の理由は結婚?7人の言葉と脱退発表が先だったわけ7人組アイドルグループのWEST.が、2026年9月30日でグループとしての活動を終えることになりました。 9月24日の発表から、終わり...


先に来ていた8月24日

それでも、5人の答えが出るまで待って、一度にまとめて発表してくれたら……と思いますよね。

どうして待てなかったのか。

発表文の言う「調整」のうち、いちばん具体的だったのが、関西出身のグループが集まる合同フェス「KAMIGATA EXPO PARK FES 2026」の一行です。

 

大阪の万博記念公園で10月31日と11月1日に開かれる予定で、WEST.も出演することになっていました。

ファンクラブ会員向けの抽選の日程を、脱退の発表と並べると次のとおり。

  • 7月28日〜8月3日:チケットの申し込み
  • 8月21日:抽選結果の発表
  • 8月24日:支払いの締め切り(1日券16,000円)
  • 8月30日:藤井流星と小瀧望の脱退を発表
  • 9月15日:グループとしても個人としても出演しないことが分かる

脱退が発表されたのは、支払いの締め切りから、わずか6日後。

当選して手続きを済ませた人は、7人のWEST.を見るつもりで、もう1万6,000円を払い終えていたことになります。

 

2人が抜けると決まっているのに、それを伏せたまま10月末まで待たせるわけにはいきません。

10月末は、まだ2か月先。

だから8月30日の発表文は、7人での出演は難しいとして、チケット代の返金に応じることを同じ日に知らせていました。

脱退が先に出たのは、2人の決断のほうに、先に支払いの締め切りが過ぎていたから。

2人の決断には、チケット代を払い終えた人という、待ったなしの相手がいました。

いっぽうの5人の話し合いには、答えを急がせる締め切りが、まだカレンダーの上に見当たりません。


反応を見て決めた説

ネットでは、この順番そのものに裏があるのでは、と疑う声も出ています。

よく見かけるのは、こんな声です。

  • 最初は、5人で続けるつもりだったのでは
  • 脱退の発表への反応が大きすぎて、解散に踏み切ったのでは
  • 2人の脱退をきっかけにした解散に見せる、事務所の作戦では

脱退の発表から25日間、グループの今後について発表文の続きは出ませんでした。

その間に答えを想像したくなるのは、自然なこと。

ところが活動終了が発表された日、この順番がどうして生まれたのかを、脱退する側の小瀧望が自分の言葉で書いていました。

会員制のブログにつづられていたのは、次の一節だったとENCOUNTが伝えています。

  • 「一緒に過ごしていく中で価値観のズレが生じ、大好きで仲が良いからこそ、僕自身そのことをうまく言葉にして話すことができず心が追いつかなくなり“いたい場所”がいつの間にかそうではなくなってしまいました」
  • 「今となっては、その少しのズレを感じたとき僕自身がもっと早く自分の想いを伝え、メンバーと話し合うべきだったと反省しています」

仲が良いからこそ、ズレを口に出せなかった。

気づいたときには、7人で話し合うより先に、自分の中で答えが出てしまっていたわけです。

 

だとすれば、脱退が先で解散があとという発表の順番は、7人の中で起きたことの順番そのものでした。

「反応を見て決めた」「事務所の作戦」という声には、発表文にも大手の報道にも、それを裏づける記述が見当たりません。

この言葉を取り上げたヤフーニュースの記事のコメント欄で、いちばん多く共感が集まっていたのは、自分の職場を重ねた書き込みでした。

好きで入った会社の空気が変わっていき、「私のいる場所でないかも」と辞めた、という話です。

仲の良い相手にほど、小さな違和感は言い出しにくいもの。

 

ただ、この順番に怒る気持ちも、よく分かるんですよね。

脱退だけが先に出たことで、グループは続くのかという答えのない問いを、25日間かかえることになりました。

モデルプレスによると、9月9日の日本テレビの朝の情報番組『DayDay.』の生放送では、メンバーの中間淳太が「今も宙ぶらりんな状態にさせてしまっていること、本当に申し訳ございません」と頭を下げたとのこと。


空いたままの続け方

今回の順番がここまで戸惑いを呼んだのには、もうひとつ理由があります。

いまの事務所ができる前の、旧ジャニーズ事務所のころからの先輩たちの脱退では、残るメンバーのこれからが、同じ日に発表されていたからです。

  • 関ジャニ∞(2019年9月5日):錦戸亮の脱退と、5人で続けることを同時に発表
  • King & Prince(2022年11月4日):3人の脱退と、2人で続けることを同時に発表
  • Kis-My-Ft2(2023年6月7日):北山宏光の脱退の発表と同じ日に、残る6人が続ける前提のコメント
  • Sexy Zone(2024年1月8日):中島健人の卒業と、3人で活動することを同時に発表

脱退の知らせと「残る人はこう続けます」は、セットで届くのがふつうでした。

先輩たちと違って、WEST.の脱退の発表文は、そのセットの片方を「協議を続けております」で空けたまま。

 

応援しているグループに脱退のお知らせが出たときは、残るメンバーのこれからが一緒に書いてあるかが、ひとつの目安になります。

書いてあれば、グループは続いていく。

「協議中」とあれば、その先にはまだ、いくつもの道が残っているということ。

そのなかからWEST.が選んだのは、グループの活動を終えて、10月1日以降も7人全員が事務所に残るという形です。

事務所は発表文で「当社は、7名がそれぞれの活動に取り組んでいけるよう、今後も支えてまいります」としています。


4人で始まるはずだった

先輩たちのように、5人で続ける道は選べなかったのか。

活動終了を伝えた動画では、桐山照史が「活動休止についてだったり、5人での活動だったり、個々についてだったり、たくさんの可能性について議論してきました」と話したと、TBS NEWS DIGが伝えています。

5人で続ける道は、本当に話し合いのテーブルの上にありました。

それでも選ばなかった理由を考えるとき、思い出したいのが、このグループの始まり方です。

  • 2013年12月31日〜2014年1月1日:東京ドームのカウントダウンライブで、重岡大毅・桐山照史・中間淳太・小瀧望の4人でデビューすると発表
  • 2014年2月5日:藤井流星・神山智洋・濵田崇裕の3人が加わり、7人で活動すると発表
  • 2014年4月23日:7人でCDデビュー

4人で、と決まっていたデビューに納得できず、メンバーが事務所に直談判して7人になったと伝えられています。

7人という形は、本人たちが自分で願って手に入れたものだったわけです。

東洋経済オンラインで、お笑い評論家のラリー遠田さんは、この成り立ちに触れて、WEST.にとって7人は「最初から与えられた編成ではない」と書いています。

そのうえで、7人のまま畳んだ今回の終わり方を「彼らなりに最後まで筋を通した終わり方だったと言えるのかもしれない」としていました。

 

2人が抜けたあと5人で続ければ、グループの名前は残ります。

でもそれは、「この7人で」と自分たちで言い出して始めたグループを、自分たちの手で5人に書き換えることでもありました。

同じ記事は、グループの人気にも触れています。

冠番組を持ち、ライブ映像の作品はオリコンの週間ランキングで1位を取り続けていたとのこと。

 

人気が落ちて終わるのではなく、7人が同じ方向を向けなくなったから終わる。

2人の脱退はきっかけでも、グループを終わらせると決めたのは7人全員だった、というのが記事の見立てでした。


FCの会費は月割りで返金

脱退だけが先に出た25日間は、ファンクラブの会員にとっても、決めにくい期間だったんです。

ファンクラブの年会費は4,000円で、入会のときだけ入会金1,000円、払うたびに事務手数料140円がかかります。

有効期限は、入会が認められた月の翌月1日から1年間で、人によってばらばら。

有効期限が8月末や9月末だった人は、グループが続くのかどうか分からないまま、更新するかを決めることになりました。

 

その答えが届いたのは、活動終了の発表の翌日、9月25日のこと。

ファンクラブが9月末で運営を終えると発表し、年会費についてこう案内したと、スポーツ報知が伝えています。

「10月以降の会員有効期間を保有されている方へ、年会費の過剰分を月割り算出額にてご返金させていただきます」。

返金の詳しいやり方は、9月中に案内される予定だそうです。

 

会員規約はもともと「一度、会員より納入された入会金・年会費・事務手数料の返還はいたしません」という決まりでした。

ただし例外がひとつだけあって、ファンクラブそのものが閉鎖されるときは、年会費を一部返すと書かれていたんです。

今回は、その例外がそのまま使われる形になりました。

更新したばかりの人ほど、10月から先の期間が長く残っているぶん、戻ってくる額も大きくなります。

 

先輩たちのときも、流れは同じでした。

  • KAT-TUN:解散する2025年3月に、会員へ「ファンクラブの閉鎖に伴う会費の返金」の案内メールが届いた(FRIDAYデジタル)
  • 嵐:2026年5月31日に活動を終え、ファンクラブの終了にあたって「2026年6月以降の年会費をご返金いたします」と書かれた為替払出証書(郵便局で現金に換えられる証書)が届いた(週刊女性PRIME)

案内を受け取り損ねないように、会員サイトに登録している住所とメールアドレスが、今も届く状態かを見ておきたいところです。


7人で畳むという終わり方

正式な脱退の時期は、活動終了の発表文にも出てきていません。

つまり、グループが9月30日で終わる以上、藤井流星と小瀧望は、脱退の日を一度も迎えないまま、7人のWEST.として9月30日を迎えます。

活動終了を伝えた動画の中で、メンバーの重岡大毅は「グループを畳むことにしました」と伝え、「僕たち7人が出したこの結論というのを、今すぐに受け止めてほしいとは思えないです」とも話したそうです。

日刊スポーツによると、7人はそろって頭を下げ、解散の前にファンと直接会う場は設けられていないとのこと。

 

最後のツアーで思い出を分け合ってから別れる、そんな終わり方を準備する時間は、7人にもファンにも残されていませんでした。

ENCOUNTによると、濵田崇裕はブログに「いつかまた7人で集まり、ファンのみなさんの前で歌える日が来たらいいなと思っています」と書き、「もちろん、今ここで約束できることではありません」と添えたそうです。

TBS NEWS DIGによると、小瀧望が動画で口にしたのは「進む道はそれぞれになりますけども、互いを思う気持ちも変わりません」という言葉。

 

脱退だけが先に届いた25日間は、待つ側にとって、あまりに長いものでした。

それでも、4人のはずだったデビューを7人で迎えたグループが、最後も7人のまま看板を下ろします。

そこだけは、始まった日と同じ形で終われたのだと思えてなりません。