2026年10月19日の夜、お笑いコンビ2700(にせんななひゃく)の八十島(やそしま)が、コンビを抜けた元相方のツネに向けて「もう応援はしない。逆に考えれば、離れて良かった人だった」とXに書き込みました。

きっかけは、ツネが「もうやらない」と約束していたはずの「ヒジ」のネタ(「右ヒジ左ヒジ交互に見て」と歌うリズムネタ)を、TikTokの動画で披露していたことです。

翌20日にはツネが八十島へ電話で謝り、ヒジは2人のネタにすることで話がまとまりました。

さらに21日には、YouTubeで人気を集め、2025年に解散した2人組「きょんくま」のきょんが、その動画をツネと一緒に撮った本人として、「撮影当日に僕からツネさんにお願いしました」とXで謝っています。

それでもネットでは、「結局どっちが正しいの?」という声が今も飛び交っています。

3年前の脱退のとき、八十島は「新しいツネを応援してる」と言って、相方のツネを送り出していました。

2700の八十島とツネのプロフィール

2700の八十島
引用元:吉本興業 公式プロフィール(2700)
  • コンビ名:2700(にせんななひゃく)・吉本興業
  • 結成:2008年2月
  • 八十島(やそしま):1984年3月22日生まれ・山口県下関市出身・吉本の養成所NSC大阪校の26期生
  • ツネ:44歳・2023年に2700を脱退
  • 代表ネタ:「右ヒジ左ヒジ交互に見て」
  • 成績:コント日本一を決めるキングオブコントで2008年に8位・2011年に準優勝

2700はこのヒジのネタで2011年ごろに一気に名前が知られ、その年の暮れには求人情報サービス「an」のCMできゃりーぱみゅぱみゅと共演するところまで行きました。

ところが2023年8月7日、ツネがXで「8/15を持ちまして2700を脱退する事になりました」と発表します。

脱退の理由は「アメリカに1人で挑戦したい」というもので、八十島は2700という名前を残し、新しい相方を探しながら「2700八十島」として1人で活動を続けてきました。

 

ツネのアメリカの話は、脱退の発表より前から出ていました。

  • 2023年4月:ツネがYouTubeで「アメリカへ行きます」と報告(本格的な渡米は翌年の春・家族は日本に残す・2700は解散しない)
  • 2023年8月7日:ツネが2700からの脱退を発表(8月15日付)

八十島は脱退のとき、2700のYouTubeチャンネルで「解散」ではなく「脱退」だと強調しています。

ツネが脱退の2年ほど前から、アメリカのスタンダップコメディー(マイク1本で客席に語りかける話芸)を「しゃべりでやりたい」と言っていたことも明かし、「じゃあ頑張ってこいよ」と送り出しました。

一度手放して取り戻した2700の名前

実は2700は、一度コンビ名を変えたことがあります。

2017年8月、2人はコンビ名を「2700」から「ザ ツネハッチャン」に変えました。

八十島がのちに明かしたところでは、テレビ番組の企画で占い師に「いまから50年は売れない」と言われたことが、名前を変えるきっかけだったそうです。

ところが新しい名前で学園祭の営業に出て「ザ ツネハッチャンです」とあいさつすると、客席は「え?誰なん?」という反応で、八十島はそのころ心を病んでしまったと振り返っています。

八十島は2018年から2020年までに3回仕事を休んだと明かしていて、3回目には山口の実家に帰ったそうです。

 

1回目の休みから八十島が戻った2018年8月、2人は名前を「2700」に戻し、ツネは「ザ ツネハッチャン」を「おじいちゃんみたいな名前なのでやめます!」と笑いに変えました。

このとき八十島は、取材に「もう一回、リズムネタをやりたいなと…。リズムネタをするなら『2700』の方がいいだろうなと」と話しています。

2023年の脱退のとき、八十島がコンビ名を手放さず、ツネに「2700のネタはもうせんでね」と約束を求めたのも、名前を変えて客席に「誰なん?」と言われ、リズムネタのために2700へ戻したいきさつがあったからだと考えると、話がつながります。

「ヒジも禁止よ」と決めた脱退のときの約束

10月19日の投稿で、八十島はツネが抜けるときに2人で交わした約束の中身を明かしました。

ツネから、アメリカでスタンダップコメディーがしたいから2700を辞めたいと言われ、かなり時間をかけて話した末に、八十島はこう伝えたそうです。

「やりたい事あるなら、抜けてもええよ、その代わり2700のネタはもうせんでね。ヒジも禁止よ。新しいツネを応援してる。」

ツネは「わかりました」と答えて去っていった、と八十島は振り返っています。

 

ところが脱退から3年あまりがたっても、ツネはまだアメリカに住んではおらず、日本のあちこちでヒジをやっていたというんです。

アメリカへは旅行のような感じで行ったらしい、と八十島は付け加えています。

そして八十島は「それなら『八十島さんとは先が見えないので、辞めたいです。ただヒジはやります。』と言ってくれた方が全然良かった」とも書きました。

 

ヒジをやると正直に言ってくれればよかったのですから、八十島が許せなかったのは、ヒジそのものより、「アメリカに挑戦する」と聞いて送り出した相方が、アメリカへ行かないまま日本でヒジをやっていたことです。

3年前の約束は「新しいツネを応援してる」で締めくくられていたのに、今回の投稿では「もう応援はしない」になりました。

八十島はアメリカに挑む新しいツネを応援するつもりでいました。

ところがTikTokで目にしたのは、ヒジを踊るツネだったんです。

続く「逆に考えれば、離れて良かった人だった」には、「寂しかったのでは?」という声も、「ただの嫉妬では?」という声も出ています。

寂しさも嫉妬も、八十島本人は口にしていません。

電話1本で決まった「ヒジは2人のネタ」

投稿の翌日、10月20日の昼に、ツネから八十島へ電話がありました。

八十島がその夜にTikTokで明かしたところでは、ツネはまず「ネタ使ってすいません」と謝りました。

そのうえで、脱退して最初の1年ぐらいは断っていたものの、だんだんほかの人から頼まれて断れなくなっていったと説明したそうです。

 

八十島が「ヒジネタは使いたいんか?」と聞くと、ツネは「正直、使いたいです」と答えました。

そこで八十島は、「肘のねたは俺のものでもあるしツネのものでもある。2人のものにしよう、共有しよう」と、電話の向こうのツネに伝えています。

電話でツネは「アメリカはビザの関係か何かで住めない」と話し、それでも「ゆくゆくはアメリカに挑戦する気持ちは変わっていない」と伝えたそうです。

 

八十島はTikTokの中で「そういうことにした」と繰り返しながら腕を組んでいて、ニュースサイトのピンズバNEWSは女性誌の編集者の話として、少し釈然としないようにも見えたと伝えています。

「そういうことにした」という言い方は、気持ちの整理より先に、話を収めるほうを選んだようにも聞こえます。

それでも八十島は「俺はまた新しいメンバーを組んで、ヒジを超える何かをつくればいい」と話し、ツネのことはこれからも「元気してるかな」という気持ちで見ていく、と動画を締めくくりました。

きょんが謝った撮影当日のお願い

八十島の怒りの投稿には、その引き金になった動画のリンクも付いていました。

アレンジした「ヒジ」のネタを、きょんとツネが2人で踊っているTikTokの動画です。

八十島が書いた「TikTokでツネが出てきて、ワクワクして、ヒジ出しててガッカリする」は、この動画を見てのことでした。

話がまとまった翌日に、きょんが出した謝罪がこちら。

昔から2700さんのネタが大好きで、一緒にやってみたいという気持ちで、撮影当日に僕からツネさんにお願いしました。

当日の突然のお願いで、ツネさんに断りづらい思いをさせてしまいました。

配慮するべきだったと反省しています。

嫌な思いをさせてしまい、本当に申し訳ありませんでした。

きょんには「関係ないから大丈夫ですよ」「元々いろいろな所でやっていたみたいだから気にしないで」と声をかける人もいれば、謝るなら人目につく投稿ではなくDM(本人だけに届くメッセージ)やメールで、と注文をつける人もいました。

その動画を怒りの投稿にそのまま添えたことを、こう受け取った人もいます。

「約束を守れ」と「ヒジくらい」に割れた声

ネットには、約束したのはツネ自身なのだから、守らなかったほうが悪いという声があふれています。

八十島に言われなければ、そのままヒジを続けていたのではないか、謝罪が後出しに見える、と厳しく見る人がいる一方で、家族を養っていくためなら、ヒジくらいやらせてあげてもいいのでは、と考える人もいます。

言いたいことは分かるけれど、Xではなく2人の間で話してほしかった、と残念がる2700のファンも。

 

八十島の「先が見えないので辞めたいと言ってくれた方がよかった」という一文から、本当の脱退理由は「芸人として食べていく先が見えなかったこと」だったのでは、と読む人もいます。

2019年に闇営業問題(事務所を通さない仕事で反社会的勢力の集まりに出ていたとされた問題)で2700が謹慎したときには、ツネが副業先の不動産会社を解雇され、芸人仲間のエアコンクリーニング会社でアルバイトをしていたと報じられました。

2020年には、東京・四谷でキッチンカーを営業する姿も伝えられています。

芸人の仕事だけで暮らすのが楽ではない時期があったのは確かですが、ツネ自身が挙げてきた理由は、脱退のときから一貫して「アメリカ」でした。

だからこそ八十島は、アメリカへ行かないままツネがヒジを続けているのを見て、聞かされていた理由と話が違うと受け取ったわけです。

口約束だった2700のヒジは誰のものか

ネット百科事典などの2700の紹介では、ネタ作りは八十島の担当とされていますが、ヒジは2人で並んで披露してブレイクしたネタです。

2700の場合、脱退のときの口約束でツネはヒジを使わないことになり、今回の電話で、ヒジは2人で使うネタに決まりました。

契約書のような決まりが表に出ていない以上、ヒジを誰が使えるかは、2人が話し合って決めていくしかなかったわけです。

結局どっちが正しいのかと聞かれれば、約束を破ったのはツネです。

そして八十島の「もう応援はしない」は、ヒジを取られた悔しさより、「新しいツネを応援してる」と送り出した相手が、その新しい姿を見せてくれなかったことへの言葉だったんですよね。