2026年10月21日の夜、ウマ娘のロサンゼルス公演の中止のお知らせに、宿泊費と交通費も返金する予定という追記が出ました。

ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』を作っているサイゲームズが主催する7回目の大型ライブ「7th EVENT」のロサンゼルス公演は、日本時間で10月23日からの2日間を予定していましたが、公演に必要なアメリカのビザが下りず、日本時間の2026年10月20日に中止が決まっています。

自分で航空券とホテルを取って海を渡る予定だったファン、いわゆる自力勢にとっては、チケット代しか戻らないと半ばあきらめていたところへ届いた知らせです。

ただ、個人で予約したホテルも本当に入るのか、紙の領収書をもらっていない人はどうするのか、そしてもうロサンゼルスに着いてしまった人は、何日分まで返してもらえるのか。

数行しかない追記の言葉と、公式サイトに残る公演の情報を、1行ずつ当たってみました。

個人で取った航空券とホテルも返金の対象

20日のお知らせで払い戻すとされたのは、現地で見るチケット、配信チケット、映画館で見るライブビューイング、旅行会社JTBの公式ツアーの4つで、自分で取った航空券とホテルはこの中に入っていません。

同じお知らせの最後には、現地に行く予定だった人への対応を「検討しております」という一文だけ。

 

翌日の追記で返金するとされたのは「本公演に現地参加される予定であったお客様」で、ツアーか個人手配かという区別はどこにもありません。

飛行機とホテルがセットになった公式ツアーはもともと払い戻しに入っているので、この追記で新しく旅費が戻る見込みになったのは、自分で航空券とホテルを取った自力勢です。

Xには、個人の旅まで返す対応を「神対応」と書く人まで出ています。

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返金の決め手は払ったことを示す書類

手続きのときには、「お支払いの内容や金額を確認できる書類」を出してもらう予定です。

何にいくら払ったかを確かめるということは、決まった額を一律に配るのではなく、払った額をもとに返すということでしょう。

たしかに払っていても、書類で示せない出費は戻らないかもしれません。

 

20日に「検討しております」だった言葉は、1日あまりで「返金を予定しております」に変わりました。

ただ、それでもまだ予定であって、金額も条件も決まったわけではありません。

予約をキャンセルした人に払われる費用

まだ日本を出ていなかった人や、ホテルの予約を取り消した人には、「キャンセルに伴い発生した費用のお支払いをいたします」とされています。

払い戻しのきかない安い航空券は、取り消しても運賃がほとんど戻らないことがあり、その戻らなかった運賃も「キャンセルに伴い発生した費用」に入ると、追記の言葉どおりに読めるはずです。

 

だから、これから予約を取り消す人は、取り消した日と差し引かれた金額が出ている画面を、その場で保存しておくと、あとで困りません。

ロサンゼルスに着いていた人の期間と条件

中止が決まったとき、もうロサンゼルスに着いていた人には、「対象となる期間と条件を設けさせていただき返金をさせていただきます」とされています。

予約を取り消した人のキャンセル料は、中止がなければ生まれなかった出費。

けれど現地で使ったお金には、観光や買い物のように、公演がなくても旅として使った分が混ざるので、運営は期間と条件を決めて、公演のための出費と旅を楽しむための出費を分けることになるはずです。

 

その期間について、ファンのあいだでは、公演の当日を含めて前後1日くらいが妥当だろう、という声も出ています。

もしその範囲なら、23日と24日の公演に前後1日を足した4日ほどが対象になり、せっかくの海外だからと1週間の旅を組んだ人は、残りの3日ほどが自分の負担のまま残る計算です。

空港からホテルまでのタクシー代のような現地での移動が「交通費」に入るのかも、まだ書かれていません。

サイゲームズが旅費まで引き受けた背景

返金が発表されたあと、公式の投稿には「交通費も宿泊費も返金って行った人得してるだろ」という返信もつきました。

けれど戻るのは書類で示せる出費までで、渡航した人は返金の期間が区切られる予定なので、観光のために足した日まで丸ごと戻ることは考えにくく、旅をした人だけが得をするとは言いにくいはずです。

もうひとつ、公式の投稿への返信には「我々の課金から出ると思うと」と書いた人もいて、このお金が結局はファンがゲームに払うお金で穴埋めされるのでは、と考える人もいます。

その一方で、中止が決まった時点から、サイゲームズも大きな損をかぶる側だと見る人もいました。

返金のお金がどこから出るのか、いくらかかるのかは、公表されていないままです。

サイゲームズがどんな保険に入っているかは分かりませんが、公演の中止に備える保険のひとつ、東京海上日動の興行中止保険の案内では、出入国を認められないといった国の判断による中止は、保険金を払わない例のひとつに挙がっていて、ビザが下りずに中止になった今回の損が、保険でそのまま埋まるとは限りません。

 

それでも旅費まで返すと決めたのには、主催者として避けにくい事情もありました。

公式がビザの承認はまだ下りていないと知らせたのは2026年10月19日ですが、その6日前の10月13日に、公式の英語アカウントはロサンゼルス公演の座席を追加すると知らせていて、その席を買った人は、そこから急いで飛行機とホテルを探すことになったはずです。

一般に公演のチケットには、旅費までは主催者が負わないという決まりがよく付いています。

けれど浜崎あゆみの福岡公演(2024年9月・機材トラブルで当日に中止)について弁護士ドットコムニュースで解説した弁護士は、主催者に原因がある中止まで、その決まりで済ませられるとは限らないとも話していました。

それに1年前の「6th EVENT」秋公演(2025年10月)でも、ファンが会場へ贈った花飾り(フラスタ)が、申し込み先として案内された業者の不備できちんと飾られなかったとき、サイゲームズは2025年10月31日に、業者に代わって送料や外注したイラスト代まで含めた全額の返金を引き受けると発表しています。

10月13日に席の追加を知らせていた主催者が、ファンが自分で組んだ旅の損まで受け持つのは、ファンが払った実費を主催者が肩代わりした、フラスタのときと同じやり方です。

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領収書がない人は予約メールとカード明細を残す

求められている書類は「領収書等、お支払いの内容や金額を確認できる書類」で、宛名入りの領収書がなくても、次のような記録がそれに当たると考えられます。

  • 航空券の予約確認メールと、eチケットの控え
  • ホテルや予約サイトから届いた予約確認メール
  • クレジットカードの利用明細
  • 現地のホテルやお店でもらったレシート

中止が決まった日には、ファンのあいだでも、ホテルや飛行機の分を中心に手元の紙を取っておこうという呼びかけが出ていました。

このライブのチケットは、アメリカのチケット販売サイトAXSでドル建てで売られていて、現地のホテル代やお店の支払いもドルです。

 

ドルで払った分を何円として返すのかはまだ示されていないので、何に払ったかが分かる予約メールやレシートと、円で引き落とされた額が分かるカードの明細を、組にして残しておくのがいちばん確実ですね。

申請の方法と締め切りは特設サイトで後日

申請のやり方と締め切りは、決まりしだい「7th EVENT 特設サイト」で知らせるとされていて、いつ振り込まれるのかもまだ出ていません。

運営は追記を知らせる公式の投稿でも、「ご案内までにお時間をいただきました」とわびています。

 

何日分が戻るのかは、まだ誰にも言えません。

ただ、席を売り足していた主催者として期間を決めるなら、公演の前後だけでなく、現地で中止を知らされたまま過ごした日まで含めるのが筋で、そこまで届いて初めて「神対応」と呼べるのではないでしょうか。