2026年10月14日のお昼、ユニバーサル ミュージックがXで、髙橋海人がKAITOの名前で歌う「swim?」のミュージックビデオが500万回再生を超えたとお祝いしました。

ところがそのすぐあと、Xでは「これで純粋な再生数と言えるのか」という声が一気に広がっています。

広告で流された分が大半ではないか、検索に出てこないよう低評価を押しに来た人の再生まで数えているのではないか、という疑いです。

しかもお祝いの投稿には、ボカロ(歌声を作るソフト)のKAITOのファンが発表の日から「別のタグにしてほしい」と頼んできた「#KAITO」が、また付いていました。

タグの件でもやもやしてきた人ほど、この500万という数字を素直に受け取れないのは当然ですよね。

500万再生のお祝いにまた#KAITO

レコード会社のお祝いの投稿は、感想を「#髙橋海人KAITOswimMV500万再生突破」という長い専用のタグで集めつつ、投稿の最後には「#swim」「#KAITO」「#髙橋海人」の3つが並んでいました。

このうち#KAITOこそ、ボカロのKAITOのファンが「ここだけは分けてほしい」と言い続けてきたタグです。

King & Princeのファンのあいだでも、感想を書くときは#KAITOを付けないようにしよう、という呼びかけが広がりはじめていたところでした。

それなのにお祝いのあと、#KAITOが付いた投稿がまた一気に増えてしまいます。

同じ日には、「swim?」がオリコンの週間デジタルシングルランキング(10月19日付)で1位になったという知らせも、レコード会社とKing & Princeの公式から出ています。

このときも公式は「#髙橋海人KAITOswimオリコン週間デジタルシングルランキング1位」という専用のタグで呟いてほしいと呼びかけていましたが、Xにはお祝いの言葉と一緒に#KAITOを付けた投稿が次々に並びました。

ボカロのファンが「#KAITO -#髙橋海人」と、髙橋海人の投稿を外す検索をかけても、#髙橋海人そのものを付けずに#KAITOだけを付けた投稿は、外れずに残ってしまいます。

しかも、公式もレコード会社も#KAITOを使っているのだから、こちらが配慮する必要はない、と書くKing & Princeのファンまで出てきました。

 

ファンどうしで「気をつけよう」と呼びかけても、公式が付け続けるかぎり、使い続ける人に理由を与えてしまう。

ファンの「気をつける」だけでは止められないという声は、ボカロのファンだけでなく、King & Princeのファンからも上がっています。

10月14日の夜になっても、タグについての説明は公式から出ていないようです。

髙橋海人のプロフィールと経歴

KAITO(髙橋海人)
引用元:KAITO – UNIVERSAL MUSIC JAPAN
  • 名前=髙橋海人(たかはし かいと)
  • ソロの名前=KAITO
  • 生年月日=1999年4月3日
  • 出身=神奈川県
  • 所属=King & Prince(2018年5月CDデビュー・2023年5月から永瀬廉と2人で活動)
  • 会社=2024年5月に2人で「King & Prince株式会社」を設立(テレビ番組で、社長は永瀬廉と自分の2人だと話している)
  • ソロの1曲目=「swim?」(作詞作曲・ジャケットの絵にも本人が参加)

ソロの名前「KAITO」は、本名の「海人(かいと)」をローマ字にしたものです。

ところが同じつづりの「KAITO」は、2006年から売られている歌声ソフト、ボカロの男性キャラクターの名前でもありました。

ボカロのKAITOは、たくさんの作り手がそれぞれの曲を歌わせてきた存在で、#KAITOは20年分の曲や絵を探すときの目印になってきたタグです。

名前を決めたいきさつは、髙橋海人はなぜKAITOに?ボカロと被った『検索汚染』がしんどいで、本人が配信で話した理由から追えます。

 

  • 2026年10月3日 KAITOの名前でソロ活動を始めると発表
  • 10月4日 生配信で名前の理由を話し、ボカロのKAITOにも触れる
  • 10月5日 午前0時に「swim?」の配信とミュージックビデオの公開。告知に#KAITO
  • 10月5日 ボカロのKAITOの発売元クリプトン・フューチャー・メディアが、名前とタグの重なりについてお知らせ
  • 10月8日 ミュージックビデオが公開3日で300万回再生を超えたと報じられる
  • 10月12日 ミュージックビデオの低評価の推計がXで広まる
  • 10月14日 500万回再生を超えたとお祝い

そのあいだ、ボカロのファンとKing & Princeのファンのあいだでは、こんな言い合いが続いてきました。

「広告再生7割」の出どころ

疑いの声でいちばん目立つのが、広告での再生が7割だと分かっている、という話です。

この数字は、500万回のお祝いの直後にも、こんな形で出回っています。

どこから何回再生されたかという内訳は、YouTubeの画面には出てこず、見られるのはチャンネルを運営している側だけです。

髙橋海人の側もレコード会社も内訳は公表していないので、「7割」という数字そのものは、外からは確かめようがありません。

 

そのかわり、YouTubeで別の動画を見ていたら「swim?」が広告で流れてきた、という声も上がっています。

広告で回った分があること自体は、たくさんの人が自分の画面で見ているわけです。

7割かどうかは分からなくても、「広告でかなり回っているのでは」という疑いには、ちゃんと出どころがあるんですよね。

再生が始まった瞬間に1回

次に気になるのが、広告で流れた分や、見たくなくて開いた分まで、本当に再生数に入るのかどうかです。

YouTubeのヘルプによると、2026年8月24日から、ショートも長い動画もライブ配信も、再生が始まった回数を数えることになりました。

広告も同じで、動画の前や途中に流れるタイプの広告は「再生が開始されるとすぐに」公開の再生数に数えられる、と書かれています。

つまり、別の動画を見ようとして「swim?」が広告で流れ始めたら、すぐスキップしてもその時点で1回。

 

低評価を押そうとミュージックビデオのページを開けば、そこで再生が始まるので、それも1回として数えられる仕組みです。

「再生したらすぐ1回になる」という疑いは、いまのYouTubeの数え方と、ほぼそのまま重なっているんです。

検索結果の上で勝手に流れるプレビューまで数に入っているのでは、と心配する人もいます。

プレビューが数に入るかどうかまでは、ヘルプには書かれていません。

ただ、ボカロのKAITOの曲を聴きたくて検索した人の画面で、聴きたくもない動画が先に動きはじめてしまう。

その1回まで500万の中に入っているかもしれないと思うと、癪に障りますよね。

MVに隠れていたkingとprince

疑いの声でもうひとつ多いのが、BTSの曲名や「プリンス」のような、ほかの人と被る言葉をタグにしている、という話です。

YouTubeの動画には、画面には出てこない「タグ」を作った側が登録できる欄があって、「swim?」の裏側には28個の言葉が登録されていました。

  • 髙橋海人、KAITO、髙橋、海人、かいと、カイト
  • King & Prince、キングアンドプリンス、キンプリ、永瀬廉
  • キング、プリンス、king、prince
  • Dance、ダンス、POP、JPOP、アイドル
  • swim?、swim、MV、PV、ミュージックビデオ
  • Takahashi、Kaito、Takahashi Kaito、Nagase Ren

グループ名をばらした「キング」「プリンス」や、「swim」「POP」のような広い言葉まで並んでいて、「これでは世界中のいろんな検索に引っかかる」という声が出ています。

とくに「swim」は、BTSが2026年3月20日に出したアルバムの看板曲「SWIM」と同じ言葉です。

 

しかもYouTubeのヘルプによると、検索でタグが果たす役割は「ごく小さなもの」で、大事なのはタイトルや説明文です。

「swim?」はタイトルに「swim」が入り、チャンネルの名前も「KAITO」なので、タグを外したくらいでは、ボカロのKAITOやBTSを探す人の画面から消えそうにありません。

見たくない人がまず手を伸ばすのが、低評価のボタンです。

そして、その低評価を押すために開いた1回が、また再生数を押し上げていくわけです。

YouTubeのチャートは広告を数えない

実はYouTube自身が、2019年9月から、YouTubeの音楽チャートを作るときには広告で流れた再生を数えないと決めています。

きっかけは、インドのラッパー、Badshah(バードシャー)の新曲が「24時間で7500万回再生」と騒がれたものの、広告を買って再生を増やしていたと分かったこと。

それ以来、「公開から24時間で何回」という記録も、検索や外部サイト、おすすめ欄からの再生だけで数える決まりになりました。

 

つまりYouTubeのなかでも、ページに出ている再生数と、曲の人気を比べるときの数は、最初から別のものとして扱われているわけです。

YouTube自身が人気の物差しから外している広告の再生まで入ったカウンターの数字を、「500万回再生突破」とお祝いしたのですから、内訳を知りたくなるのは自然なことですよね。

名前も曲名も、すでにたくさんの人が探していた言葉と重なっているところへ、広告でさらに多くの画面へ届けた。

低評価が積み上がったのも、再生数がふくらんだのも、根っこは同じところにありそうです。

#KAITOを外さない3つの読み筋

お祝いのあと、「なぜ公式はここまで#KAITOにこだわるのか」という声が相次いでいます。

Xで語られている見方は、大きく次の3つです。

  • 話題に乗るために、わざと付けている
  • 決まった形の告知を、そのまま流している
  • ソロの名前そのものだから、外すに外せない

1つ目は、騒ぎになっても付け続けるのは狙いがあるからでは、という見方で、会社の社長でもある髙橋海人本人の判断を疑う声まで出ています。

2つ目の手がかりは、お祝いの投稿の最後に並んでいた、あの3つのタグです。

この並びは、King & Princeの公式が10月5日に出した配信開始のお知らせとも、YouTubeのミュージックビデオの説明欄の最後とも、まったく同じ。

Xの告知では、最初に決めた3つのタグを、騒ぎになってからも見直さず、告知のたびに貼り付けているようにも見えます。

 

3つ目は、ソロの名前がKAITOである以上、名前のタグは外せない、という見方です。

ただ、ボカロのKAITOの発売元のクリプトンは10月5日のお知らせで、タグの重なりは防ぎきれないとしたうえで、これまで通りKAITOの情報を出していくと書いていました。

ボカロの側が#KAITOを手放さない以上、重なりを減らせるのはKing & Princeの側だけです。

炎上商法では説明できない動き

わざと付けているという見方は、ついに「炎上商法に切り替えたのでは」という声にまで強まっています。

騒ぎが続くほどYouTubeのカウンターが回り、そのたびに公式が数字を祝うのですから、そう疑いたくなりますよね。

ただ、同じ日に祝われたもうひとつの数字、オリコンの週間デジタルシングルランキングは、お金を払ってダウンロードされた数で決まります。

怒って開いた1回はここには1つも入らず、騒ぎをきっかけに応援の気持ちで買った人がいたとしても、それは曲を支えたい人のお金です。

炎上で回せるのは再生のカウンターまでで、買う人の数までは回せない。

 

そして、炎上商法という見方にいちばん合わないのが、KAITOのYouTubeチャンネルの動きです。

10月6日から9日まで毎日上がっていたショート動画には、タイトルに「#KAITO #髙橋海人 #swim」が付いていました。

ところが、低評価の推計がXで広まった12日を挟んで、13日と14日に上がったショート動画のタイトルには、「#swim」しか付いていません。

低評価が積み上がったYouTubeのショート動画では#KAITOを静かに外し、Xのお祝いでは付け続けている。

わざと燃やしたいならYouTubeで外す理由がありませんし、鎮めたいならXで付け続ける理由がありません。

YouTubeとXで、担当している人が違うだけなのかもしれません。

それでも、YouTubeのショート動画のタイトルからは#KAITOが消えたのに、ボカロのファンが発表の日から分けてほしいと頼んできたXのタグには、まだ手がつけられていないんです。

聴いた人も閉じた人も同じ1回

水しぶきを上げてプールへ飛び込む少年のイラスト

10月14日の夜の時点で、「swim?」のミュージックビデオの再生数は約532万回、高評価は約10.3万でした。

低評価の数は2021年からYouTubeが表に出していませんが、ブラウザの拡張機能による推計では約66万とされています(あくまで推計です)。

推計どおりなら、低評価は高評価の6倍以上ということになります。

この再生数には、3つの立場の人の1回が混ざっていると見る人もいます。

広告で流れてきてすぐ閉じた1回も、見たくなくて低評価を押しに来た1回も、好きで何度も聴いた1回も、YouTubeが無効として外さなかった分は、カウンターの上では同じ1回です。

 

そのうち何回が「聴きたくて再生した1回」なのかを答えられるのは、内訳を持っている公式の側だけ。

その公式が、内訳は出さずに数字だけを祝い、しかもまた#KAITOを付けたのですから、もやもやが晴れるはずがありません。

500万再生は本当かと聞かれたら、再生が始まった回数としては本当で、聴きたかった人の数としては誰にも分からない、というのが答えになりそうです。