2026年10月21日の昼ごろから、日本のXに、中国の男性インフルエンサーの配信の切り抜きが一気に流れてきました。

TXTのスビンだとされる性的な写真について、自分との関係をほのめかす配信です。

男性は配信で「友達に見せたら勝手に流された」「当時は相手がアイドルだと知らなかった」と話し、まだ付き合っているのかと聞かれて、うなずいたとされています。

自分は悪くないと言うための配信なのに、聞けば聞くほど、2日ほど前から出回っていた写真は本物だと認めているように聞こえてしまうのです。

写真を「AIで作られた偽物」だと見てきたファン(MOA)のあいだには、「え、ガチだったの?」「何が本当なの?」という声が広がっています。

配信の前日の10月20日には、日本のファンのタイムライン(tl)にこんな声もありました。

TXTのリーダー・スビンとは

  • 本名はチェ・スビン、2000年12月5日生まれの25歳
  • 韓国・京畿道(キョンギド)の安山(アンサン)市の出身
  • 5人組TOMORROW X TOGETHER(TXT・日本では「トゥバ」とも)のリーダー
  • 所属はBTSと同じBIGHIT MUSIC(大手事務所HYBE傘下のレーベル)
  • 2019年3月4日 TXTのリーダーとしてデビュー
  • 2024年11月 体調を崩し、医師に休養を勧められて年末の授賞式や日本のファンイベントを欠席
  • 2025年8月22日 5人全員がBIGHIT MUSICと再契約
  • 2026年9月 ドルチェ&ガッバーナのグローバルアンバサダーに
  • 2026年11月13〜15日 ソウルのKSPO DOMEで5回目のワールドツアー〈STEAL THE WIND〉が開幕予定
  • 2026年11月16日 9枚目のミニアルバム『PERFECT STORM』でカムバック(新曲での活動再開)予定

中国のSNSから広がった写真

始まりは、10月19日ごろまでに中国のSNSで出回った投稿でした。

スビンの私生活をめぐる書き込みと一緒に、スビンだとされる男性が別の男性と写った性的な写真が流されたのです。

写真はすぐにXにも渡り、10月20日には海外の芸能ニュースサイトも取り上げて、日本のファンの目にも入るようになりました。

 

誰が撮った写真なのかは、いまもはっきりしていません。

海外のファンは10月19日のうちに、「デマを流した人を訴えてほしい」「公式に声明を出してほしい」と、事務所の問い合わせ窓口へ一斉にメールを送ろうと呼びかけ始めました。

中国のスビンのファンのアカウント「CHINA SOOBIN BAR」も、いちばん大きな声を上げたうちのひとつでした。

写真が出回ったのは中国のSNSで、それを打ち消そうと動いたのも、同じ中国のファンだったんです。

そこへ10月21日、あの男性の配信の切り抜きが飛び込んできました。

配信した男性が話したこと

海外の報道によると、この男性は配信で、次のようなことを話したとされています。

  • 以前、韓国に留学していた
  • 中国で練習生(デビュー前のアイドル候補)だった
  • 当時は相手がアイドルだと知らなかった
  • 2人は付き合っていた
  • 出回った写真は、自分が撮った動画を切り取ったもの
  • その動画を親しい友人に送ったら、友人が画面を撮って投稿した
  • 流れたあとに相手へ連絡し、いまはけんかをしている
  • まだ付き合っているのかと聞かれ、うなずいた

「确实是我(確かに僕です)」という字幕のついた切り抜きもあり、日本ではこれを「本人が認めた」と受け取った人もいます。

ただ、その前にどんな質問に答えた言葉なのかは、切り抜きからは分かりません。

 

そしてこの男性は、配信の中で一度もスビンの名前を出していません。

やり取りの画面など、話が本当かどうか確かめられるものも、何ひとつ出していないのです。

認めたように聞こえる言い訳の穴

写真が偽物で自分と関係がないなら、男性は「そんな写真は知らない」と言えば済むはずです。

それなのに、わざわざ「友達に流された」「知らなかった」と、自分は悪くないと説明しています。

だから日本のXでも、言い訳をすればするほど、写真が本物だと言っているようなものじゃないか、と受け取る人が増えていきました。

 

ただ、この言い訳には穴があります。

まず、注目を集めたい人なら、本当は関係がなくても、関係があるふりをするだけで得をします。

しかも「アイドルだとは知らなかった」と言うこの男性のアカウントが、以前からスビンに関するアカウントをフォローしていた、と中国のネットで指摘されているのです。

アイドルを目指す練習生だった人が、世界で知られたグループのリーダーの顔を知らなかったなんてことがあるのか、と首をかしげる声も出ています。

 

2026年10月22日の未明にも、男性はまた配信をしました。

そのとき画面に映ったスマホの写真フォルダにはスビンの写真がいくつも並んでいて、その場面を切り取った画像が日本のXにも出回っています。

男性が言ったのは「当時は知らなかった」なので、いまスマホに写真があること自体は、話と食い違うわけではありません。

それでも、前からスビンのアカウントをフォローしていたという指摘と重なって、この男性は前からスビンを追いかけていただけではないかと疑う声が強まっています。

撮った場所も、はじめはアメリカだと言っていたのが中国に変わり、2人の関係も「体だけの関係」から「付き合っていた」に変わった、という指摘まで出てきました。

話すたびに中身が動く人の言葉を、そのまま証拠として受け取るのは難しいですよね。

ファンがフェイクだと言う5つの根拠

一方でファンも、写真が出回った直後から、本人とは違うところを1つずつ探していました。

根拠を英語でまとめて出したのは、ここでも中国のファンのアカウント「CHINA SOOBIN BAR」でした。

  • 写真の髪の色が、スビン本人の髪色と合わない
  • スビンの左腕にあるはずのほくろが、写真の同じ場所にない
  • 2025年の映像で見られる引きしまった体つきと、写真の体の線が違う
  • 撮影場所はアメリカのホテルだと噂されているのに、写真の後ろのコンセントの形がアメリカのものと合わない
  • AIで作った画像かどうかを見分けるツールにかけると、AIの可能性79%という結果が出た(数字はツールによって変わる)

事務所が鑑定した結果ではないものの、配信の男性の話と比べれば、ファンのほうがずっと、ほくろやコンセントの形のような目で確かめられるものを並べて話しています。

BIGHITに「守って」と求めるファンの声

TXTの公式アカウントには、10月21日の午前にも、カムバックのお披露目イベント(ショーケース)の参加申し込みのお知らせが、いつもどおり載っています。

日付が変わった22日の0時には、BIGHIT MUSICがカムバックに向けたスビンの予告写真を出しました。

スビン本人も事務所も、写真や配信のことにはひと言も触れないまま、カムバックの宣伝だけを予定どおり進めています。

ファンが怒っているのは、写真が本物かどうかより前に、事務所がスビンを何もしないで放っているように見えるからなんです。

しかもファンが「守って」と声を上げるのは、今回が初めてではありません。

2026年4月には、出演予定だったトーク番組の予告で、スビンが体をめぐる性的な冗談を振られる場面が流れ、ファン(MOA)が4月28日に声明を出して、BIGHIT MUSICへのトラック抗議(メッセージを載せたトラックを事務所の前に走らせる抗議)を予告していました。

 

ほかの事務所では、すぐに声明を出した例もあります。

2024年8月30日、AIで顔を差し替えた性的な偽の画像(ディープフェイク)が韓国で大きな社会問題になったときには、TWICEの所属事務所JYPが「明らかな違法行為」として、大手の法律事務所と組んで法的措置をとるとすぐに発表しました。

BIGHIT MUSICは2025年12月29日、ファン向けのアプリWeverseで、TXTへの悪質な書き込みを当局に告訴したことを報告しています。

同じ日にはHYBEのほかのレーベルも、海外のSNSに悪質な投稿をした人を、アメリカの裁判所の手続きで突きとめようとしていると明かしていて(SEVENTEENやTWSの件)、BIGHIT MUSICも黙っているあいだに裏で動いているのかもしれません。

この騒ぎで得をしているのは誰か

本物か偽物かとは別に、中国のSNSでは「この男性は、ただ注目を集めたいだけではないか」と疑う声もささやかれています。

 

出回っている切り抜きには中国のSNS「小红书(シャオホンシュー)」のマークが入り、画面には「双11」のクーポンの表示まで映っていました。

双11は、毎年11月11日の「独身の日」に合わせて行われる、中国でいちばん大きなネットのセールです。

配信で物を売る人たちは、いま、1年でいちばんの売り時を3週間後に控えているところです。

中国のネットでは「この人は物を売る配信の人なのでは」「セールの前に注目を集めたいだけでは」と疑う声が上がっています。

 

名前を出さず、証拠も出さずに「僕です」と匂わせるだけなら、話が嘘だったとしても責任は問われにくい。

それどころか、本物か偽物かで世界中が騒げば騒ぐほど、証拠を何ひとつ見せていない男性の配信のほうに、見に来る人が増えていきます。

中国のネットで疑われているとおりなら、男性はこの数日のうちに、セールを目前にして、世界中の人の目を自分の配信へ向けさせたわけです。

流した側が問われかねない罪

本物か偽物かの答えが出ないあいだにも、性的な写真は世界中で見られ、私生活の噂は本人の知らないところで語られ続けています。

偽物なら、顔を勝手に使われて性的な写真を作られた被害。

本物なら、本人の許しなく撮られたり渡されたりした映像を、世界中にばらまかれた被害です。

どちらに転んでも、スビンが傷つけられていることに変わりはありません。

 

そして配信の話が本当なら、男性自身も、罪に問われかねない側に立っています。

韓国の法律では、撮るときに相手の同意があっても、あとから相手の意に反して人に渡したり広めたりすれば罪になり、最長7年の懲役とされています。

男性は中国の人なので、韓国の法律でそのまま裁けるのかどうかは、まだ分からないまま。

それでも男性は、自分は悪くないと言うつもりで「友達に送った」と話したのに、そのひと言で、相手の性的な動画を本人の許しなく人の手に渡したと打ち明けてしまっています。

 

韓国では、こうした性的な画像を広める行為が、年々重く裁かれるようになってきました。

2024年には、AIで作った性的な偽の画像が海外のメッセージアプリ「テレグラム」で出回り、韓国の警察によると、1月から10月14日までに検挙された人は474人。

その8割が10代。

 

スビンの写真がもし偽物なら、それを作った人も、テレグラムで偽の画像を出回らせた人たちと同じことをしていることになります。

この年の9月には法律が改められ、性的なディープフェイクは作るだけでなく、持っているだけ、見るだけでも、最長3年の懲役か3000万ウォン以下の罰金の対象になっています。

同じHYBEのLE SSERAFIMのディープフェイクを作って流した人には、実刑判決が出たことも、HYBEが2025年12月に報告しています。

「認めた」ように聞こえるあの配信は、写真が本物だという証拠ではなく、何ひとつ確かめられるものを出さないまま世界中の視線を集めた、男性の言い分にすぎないのかもしれませんね。