2026年11月1日の夜、Xで「オレンジプラーク」という聞き慣れない言葉が急に広がりました。

きっかけは、ニュースサイトのモデルプレスが出した元ME:Iの加藤心(かとう・こころ)のイベント写真です。

ME:Iはオーディション番組から生まれたガールズグループで、この日は本人の26歳の誕生日、初めてのスタイルブック『C+LOVER』の発売記念イベントの日でもありました。

本の出来を聞かれて「100点満点中120点」と答えた日に、笑顔の写真の口元を見て、歯の色を話題にする投稿が広がっていったのです。

同じ日の会場で、ファンが撮った別の写真がこちらです。

「オレンジプラーク」と聞いて、急に自分の前歯が気になった方もいるのではないでしょうか。

何のことなのか、誰にでもつくものなのか、写真を見て言い切れるものなのかが気になりますよね。


オレンジプラークの正体

プラークは歯の表面につく汚れのかたまりで、歯垢とも呼ばれます。

もともとは白っぽくてねばねばしたものですが、落とされないまま残っていると、だんだん色が変わっていくのだとか。

高松市のはる歯科診療室は、これを「オレンジ色に成熟した頑固なプラーク」と説明しています。

なぜその色になるのかは医院によって書き方が違い、特定の細菌が色素を作るためという説明もありました。

 

やっかいなのは、落ちにくさです。

Xには「磨けばとれる気が」という声もありましたが、東京の久我山駅前歯科・矯正歯科は「日々の歯ブラシでは落ちない汚れ」と書いています。

前歯の汚れが取れなくて歯医者さんへ行き、そこで初めてこの名前を知った人の投稿もありました。

歯医者さんでは、機械のブラシや先のとがった器具で落としているそうです。

歯を白くするホワイトニングでは歯垢や歯石は落ちないと、歯科医が監修した記事には書かれていました。


大人にもつくのか

歯科医院のブログでオレンジプラークが出てくるのは、多くが子どもの歯の話です。

「小児」、つまり子どもの歯についての、こんな投稿もあります。

これだけ読むと、大人には関係のない話に思えるかもしれません。

ただ、はる歯科診療室の説明は「大人の方にも見られますが、特にお子さまに多く見受けられます」で、別の歯科医院も、歯ブラシが当たりにくい場所に汚れがたまって色がつくのは「大人でも子どもでも同じ」と書いています。

大人にもつくけれど、見かけることが多いのは子ども。

 

歯科医院の解説に出てくる、つきやすい条件はおもに次の4つです。

  • 歯ブラシが当たりにくい場所があり、磨き残しがたまる
  • 歯が重なっている部分があって、磨きにくい
  • 唾液が減って、口が乾きやすい
  • 硬い歯ブラシや研磨剤入りの歯磨き粉で強くこすり、表面に傷がついている

口で呼吸していると、上の前歯の表側が乾いて汚れがつきやすいという説明もありました。

毎日磨いていても、歯ブラシの当たらない場所には残ることがあるそうで、磨いていない人だけの汚れとは言えない話なんです。


写真の歯はプラークなのか

話題になったのは、笑った口元の歯が黄色やオレンジがかって見える1枚でした。

Xで見かけて、思わず二度見してしまった方もいると思います。

Xには「歯垢ついてる…」という声もあれば「この感じはオレンジプラークじゃないと思う」という声もあり、オレンジプラークと書いて広がった投稿にも「プラークなのかも怪しい」と添えられていました。

写真だけで、オレンジプラークだと決めることはできません。

歯医者さんは目の前で口の中を見たうえで、さらに磨き残しに色をつける染め出し液で確かめるそうです。

 

歯が黄色っぽく見える理由も、ひとつではありません。

美容誌『美的』の取材記事では大阪大学大学院の阪井丘芳教授が、一般的な黄ばみの原因として、飲食物の着色と、歯の内側の色が透けて見えることを挙げています。

どれに当たるのかは、口の中を見ないと分からないわけです。

オレンジプラークという言葉の定義についても、2024年に歯科医を名乗るアカウントがこんな投稿をしています。

歯の話題を書いている人からも定義を問う声が出る言葉なので、写真を見て言い切るのはなおさらむずかしそうです。

歯の色の原因まで決めるような投稿も流れていますが、どれも写真から確かめられる話ではありません。


芸能人は歯が命という言葉

それでも芸能人の写真だと、つい歯まで見てしまいますよね。

40〜50代の方なら思い出すのが、1995年に東幹久と高岡早紀が出演した、美白歯磨き粉アパガードのCMで広まった「芸能人は歯が命」です。

2人が白い歯を見せる場面ごと、覚えている方も多いと思います。

歯の話になると口をついて出る言葉で、2020年にはこんな投稿もありました。

11月1日の夜のXにも「芸能人は歯が命やのにな」という声がありました。

CMの時代から、芸能人の歯は白いものという印象を持ってきた方は多いと思います。

写真を見て驚いた理由のひとつは、そこにもあるのかもしれません。


子どもの歯で見つけたら

オレンジプラークは、子どもの歯を毎日見ている方には、もっと身近な話かもしれません。

はる歯科診療室は、仕上げ磨きのときに歯の表面がオレンジ色になっていたら、オレンジプラークかもしれないと書いています。

歯科で働く人とみられる方の投稿には、お母さんからこう聞かれた話も出てきます。

次男の理由はこの投稿の中では分からないままですが、そのままにしておいてよいものではないようです。

久我山駅前歯科・矯正歯科によると、オレンジ色のプラークは2歳前後から見えることがあり、汚れを落としていくと虫歯が見つかるケースも多いとのこと。

歯科医院の解説がすすめているのは、次のようなことでした。

  • 落ちないからといって、力を入れてこすらない
  • 市販の器具で無理に削らない
  • 歯ブラシが届かないところはフロスや歯間ブラシを使う
  • 歯科医院でクリーニングと磨き方の確認を受ける

私は専門家ではないので、気になる色があれば歯医者さんで診てもらってくださいね。


誕生日に話していたこと

写真が話題になった11月1日、加藤心がイベントで話していたのはファンへの感謝でした。

『C+LOVER』の「C」は自分の名前の心で、「LOVER」は応援してくれるファンのことだそうです。

誕生日のイベントについては「お誕生日にファンの皆さんに会えるというのが、私にとってめちゃくちゃ幸せなこと」と話し、26歳の抱負には「もっと大人でかっこいい女性」という言葉を挙げました。

会場で会えたファンの投稿にも、同じ「幸せ」という言葉がありました。

写真に写っていたものの正体は、外からは分からないままです。

ただ、自分の前歯の表側なら、次の歯磨きのときに鏡で見られますね。


この記事で参考にした情報

  • はる歯科診療室のブログ「オレンジプラーク」
  • 久我山駅前歯科・矯正歯科のブログ「子供の歯の表面がオレンジ色に!?」
  • 田町スクエア歯科・矯正歯科のブログ「オレンジプラーク」
  • 歯科医院のブログ「歯についているオレンジ色の正体」「オレンジプラークって??」「オレンジ色したプラーク(歯垢)」
  • メディカルーク「歯にオレンジ色の歯垢(プラーク)がつく原因。自分で取る方法は?」(菊地由利佳歯科医監修)
  • 『美的』の阪井丘芳教授への取材記事「歯の黄ばみ」
  • モデルプレスのイベント記事
  • ORICON NEWSの「芸能人は歯が命」CMの記事