星乃リアさんが泣きながら話した19分の動画を見て、気の毒だとは思う。

それなのに、どこか素直に同情できない。

そんな引っかかりを抱えたまま、画面を閉じた人も多いのではないでしょうか。

 

YouTubeのキャバ嬢オーディション番組『LAST CALL(ラストコール)』に出演していた星乃リアさんは、2026年10月19日の夜、自分のYouTubeにその動画を上げました。

9月から出回っていた、番組に出る前の成人向けの配信の写真や動画について、本人は「事実です」と認めています。

17日に、同じ番組に出ていた妹の星乃みりぃさんが「帰ってこない」と投稿してから、2日後のことでした。

動画のコメント欄には応援の言葉が並びましたが、Xでは「お涙頂戴は厳しい」という声が大きく広がっています。


本人が話した19分

動画が上がったのは19日の19時10分で、本人のXにはこの投稿が出ました。

話した中身は、時間の順にこう進みます。

  • はじめの1分=写真や動画は「事実です」、心配や迷惑をかけて申し訳ない
  • 2分〜7分=その仕事を始めた理由(実家への仕送り・お父さんの病院代・妹さんはまだ高校生だった)
  • 7分〜14分=バレる怖さ、「バラすぞ」というDM、追い詰められていた気持ち、届いたメッセージに救われたこと
  • 14分〜19分=お店もラストコールも続けて、「誰よりも誠実に」がんばっていく
  • 最後=改めて、心配や迷惑をかけたことへの謝罪

謝る言葉が出てくるのは、はじめと最後だけ。

19分のうちいちばん長いのは、本人がどれだけ苦しかったかの話です。

動画を撮る前は、認めも否定もせず黙って通すつもりだったとも話していて、それでも応援してくれる人に「不誠実だな」と思ったから撮った、とのこと。

認めたこと自体は、逃げなかったと受け取れます。

引っかかるのは、認めたあとの話の運び方です。

なお、動画の言葉は自動の字幕をもとにしているので、細かい言い回しは違っているかもしれません。


「お涙頂戴」と言われる理由

動画が出てまもなく、本人の投稿を引用して、こう書いた人がいます。

返信欄には「ほんっっとに間違いないです」という声や、「バレたらお涙頂戴は都合良すぎる」という声が並びました。

返信や引用で言われていたのは、この5つです。

  • 謝罪の動画が、謝ることより同情を集める形になっている
  • 「家族のため」が前に出て、自分で選んだことが後ろに下がっている
  • 苦しくても、その道を選ばずにがんばってきた人がいる
  • 風俗やパパ活を「そこまでの勇気が出なくて」と引き合いに出した
  • 過去を伏せたまま応援を集め、知られてから謝った

怖かったのも、追い詰められていたのも、たぶん本当でしょう。

 

それでも、謝る動画がその形になっていれば、見た人の目には「かわいそうだと思ってほしい」という動画に映ります。

謝る相手より、自分の涙に時間を使った。

「お涙頂戴」と感じたのは当然です。

動画の作りが、そうなっているのですから。

 

5つ目の「伏せたまま」も、同じところにつながります。

人に言わない過去があること自体は、珍しくありません。

けれど本人は、黙っていることを「応援してくれる人に不誠実だ」と言って動画を撮りました。

その言葉は、4月ごろに番組に出てから、9月に知られるまで黙っていたあいだにも、そのまま当てはまってしまいます。

知られる前に自分から話していれば、同じ「事実です」でも、追いつめられてからの謝罪にはならなかったでしょう。


美談で終わらせない

いちばん強い反発が集まっているのは、「家族のため」という説明。

実家への仕送り、お父さんの病院代、当時まだ高校生だった妹さん。

事情が苦しかったことは、疑う理由がありません。

 

けれど、同じくらい苦しい中で、昼も夜も働いて、別の道を選んできた人はたくさんいます。

その人たちから見れば、「家族のためだった」で話が丸く収まるのは納得がいかない。

家族の事情は、選んだ理由の説明にはなっても、選んだことを帳消しにする理由にはなりません。

 

しかも、その説明のために、お父さんの病気や妹さんの高校時代まで、世間の目にさらすことになりました。

Lちゃんさんが続けて、親の立場ならつらいだろうと書いているのは、そこです。

美談として受け止められてしまえば、同じ事情を抱えた若い人に、「家族のためなら仕方ない」という道を見せてしまいます。

19日の夜、本人がInstagramのストーリー(24時間で消える投稿)に出した文面を、ファンの方がXに載せていました。

その画面には、今後の仕事について「家族のため、そして自分で決めた事なので」とあります。

前に出すべきだったのは、「家族のため」より「自分で決めた事」でした。

自分で選んだと言い切ったうえで謝っていれば、同じ19分でも、受け取られ方はかなり違ったはずです。

 

もうひとつ引っかかるのが、動画の中の比べ方。

本人は、風俗やパパ活のような仕事には「そこまでの勇気が出なくて」と話しています。

自分の選んだ道を説明するのに、ほかの仕事を引き合いに出す必要はなかった。

その一言で、その仕事をしている人を下に置く形になってしまったんです。

Lちゃんさんも「普通はエ〇配信の方が無理だと思う」と書いていて、その比べ方そのものに首をかしげた人もいます。


心配した3日間の答え

そして、「失踪」の騒ぎにも、モヤモヤが残ったままです。

始まりは、17日のお昼すぎの妹さんの投稿でした。

同じ日の夜には、勤め先から「3週間出勤していない」と連絡があったこと、これから警察へ行くことが書かれています。

この投稿をきっかけに、たくさんの人が本気で心配して、拡散に協力しました。

18日の朝には、家族より先に、9月の暴露とは別の暴露系アカウントの創設者を名乗る人が「生存確認しました」と投稿する騒ぎにもなっています(その投稿は、20日の朝の時点では見当たりません)。

 

そして19日の夜、妹さんは、その日の朝に姉と会えたことをこう書きました。

本人は家族と連絡を断っていたあいだ、LINEを開けないくらい怖くなっていた、と動画で話しています。

17日の昼から19日の夜まで、ネットで大勢が心配した3日間の答えは、本人が自分で撮った19分の動画でした。

心配していた人が「振り回された」と感じるのは、もっともなことです。

 

騒ぎ自体が仕組まれていたのでは、と疑う声もあります。

ただ、妹さんは17日の夜に警察へ行くと書いていて、そこまで作り話だったと言える材料はどこにもありません。

それでも、本人が黙っていた3日間に、心配は公の場でここまで大きくなりました。

心配を公の場で集めた以上、その説明も公の場で厳しく問われる。

同情を集める流れに見えてしまったのは、注目が集まりきったところに動画が出た、その順番があったからです。


責めていいのは行為まで

お涙頂戴、「家族のため」、比べ方、失踪の騒ぎ。

どれも、本人が選んだことと、動画の作り方に向けられた声です。

この騒ぎには、もうひとつ別のものも混ざっています。

9月に最初にこの話を出した暴露のアカウントは、17日の夕方にこう書いていました。

店のグループの名前を挙げて、「失踪」と言い切った投稿です。

このアカウントは19日の未明にも「本人はもう辞めたいみたいだよ」と書き、妹さんから「もうこれ以上、人の人生を壊さないでください」と返されています。

動画が出たあとも、写真や動画を「DMで送る」と持ちかける投稿まで出回りました。

 

選んだことを批判するのと、写真や動画を回し続けるのは、まったく別のことです。

本人は動画で、一時は自分を傷つけてしまうところまで追い詰められていた、とも話していました。

つらい気持ちを1人で抱えている人は、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556/厚生労働省)でも話を聞いてもらえます。

 

どんな事情があっても、「家族のため」は美談ではありません。

苦しくても別の道を選んできた人の努力を、この話で軽く扱いたくはないですよね。

星乃リアさんが動画で約束した「誰よりも誠実に」は、涙ではなく、これからの仕事で見せてもらうしかありません。