「今回の逮捕で、急に風磨くんが叩かれ出してるのなぜ?」

いま、timeleszのファンからこういう声が続けて出ています。

逮捕されたのは、グループのメンバーである猪俣周杜(いのまた・しゅうと)。

2026年9月19日、知人の女性にけがをさせた傷害の疑いで、警視庁に身柄を押さえられました。

その前夜、コンビニの駐車場に停めた車の中で口論になり、女性の顔を複数回殴ったとされています。

そして2026年10月1日、猪俣周杜は事務所から契約を解かれ、timeleszを抜けることが決まりました。

 

ところが逮捕から10日あまりがたったいまも、Xのタイムラインでくり返し名前を出されているのは菊池風磨のほうです。

「猪俣なんとかより菊池風磨のが叩かれてる」と書き込む人が出るほど、その勢いが止まりません。

菊池風磨のファンクラブイベント「おふうかい」へ足を運んだファンは、こう書いています。

しかも、画面越しにぶつけられているのは、何年も前の話と、9月27日にラジオで口にした言葉への反発です。

矛先が向いたのは菊池風磨のほう

  • 2024年に始めたオーディション「タイプロ」で猪俣周杜を選んだのは誰だったのか
  • 年下のメンバーへのいじりを、7年前から注意されていたこと
  • 1年7か月前に先輩の山田涼介(Hey! Say! JUMP)がした忠告を聞いていなかったのではないか

逮捕の直後に菊池風磨へ向いた批判は、この3つでした。

いちばん新しい話でも1年7か月前で、コンビニの駐車場で起きたこととは、どれも直接つながっていません。

殴ったとされているのは猪俣周杜であって、菊池風磨ではないんです。

それなのに、なぜ古い話まで引っぱり出されるのか。

これまでファンがいったん飲み込んできたモヤモヤが、まとめて戻ってきているからです。

選ぶところまで見せたタイプロ

2024年4月1日、中島健人が卒業して菊池風磨・佐藤勝利(さとう・しょうり)・松島聡(まつしま・そう)の3人になったSexy Zoneは、グループ名をtimeleszへ変え、同じ日に一般の人を対象にした新メンバーオーディション「タイプロ」を発表しました。

ふつうの芸能事務所のオーディションは密室で、誰が誰を落として誰を残したのかが外から見えません。

タイプロは、カメラを入れてその逆をやりました。

18,922件もの応募が絞られていく過程を、Netflixで世界へ最後まで配信したのです。

候補生と向き合って、迷って、名前を呼ぶところまで全部。

 

そして選ぶ側の3人のうち、カメラの前でいちばん長く喋っていたのが菊池風磨でした。

企画を言い出したのも、番組で厳しい言葉をかけたのも、合格を告げたのも、画面のなかではこの人です。

実際に選んだのは3人なのに、名前が出るのは目立っていたひとりだけ。

いちばん長く映っていた人に、名前が集まってしまうんですよね。

 

そしてこのオーディションには、告知が出た2024年4月の時点からSNSで根強い反対の声がありました。

STARTO ENTERTAINMENTという事務所には、ランドセルを背負った小学生のうちに入ってデビューできないまま下積みで10年以上を過ごす人がたくさんいます。

その長い順番を飛び越えて、一般から応募してきた人がいきなり同じステージの隣に立つわけですから、デビュー前のジュニアをずっと応援してきた人にとって簡単に飲み込める話ではなかったはずです。

納得したのではなくて、預けたんですよね。

この「預けた」というファンの我慢が、今回いっせいに怒りとして返ってきます。

加入11か月で立った東京ドーム

疑いながらも預けた側がこれまで黙っていられたのは、数字で結果が出ていたからでもあるでしょう。

新メンバーが加わったのが2025年2月で、6月のアルバム『FAM』は初週61.9万枚とグループの自己最高を更新しました。

翌2026年の1月から2月には、東京ドームで6公演、約31万人。

企業のテレビCMも次々に決まっていきます。

「素人を入れたら終わりだ」とまで言われていたグループが、加入からわずか11か月で東京ドームのステージに立ったのです。

 

ところが今回の逮捕で、そのCMがいっせいに引き上げられました。

  • AOKI=出演サイトを削除
  • ABCマート=新CM動画を非公開に
  • 日清食品=公式サイトとXから動画や画像を削除
  • Hamee=サプリブランドの広告掲出を停止
  • CHARGESPOT=公式サイトから画像や動画を取り下げ
  • Google=Pixelの公式サイトとSNSから写真や動画を取り下げ

こうなったのは誰のせいか、という話になると、真っ先に名前が出るのは最終審査で選んだ人でしょう。

長くジュニアを応援してきた人にとっては、事務所の看板が傷ついて自分の推しの現場にまで影響が出かねない話でもあります。

年長組に入ったのは16歳のとき

菊池風磨は、グループの中でずっと年長者という「上の立場」にいた人です。

2011年11月にSexy Zoneとしてデビューしたとき、16歳の菊池風磨は最初から年長組でした。

下にいたのが、14歳の佐藤勝利と、13歳の松島聡と、11歳のマリウス葉。

中学2年で事務所に入ってから、わずか3年後には、もう年下たちの「面倒を見る側」に置かれていたんです。

7年前に先輩から飛んだ一喝

年下のメンバーへのいじりが強すぎる、という声は7年前からありました。

2019年4月にネットで報じられたのは、ラジオで菊池風磨がマリウス葉(当時19歳)のファッションをいじり、それが止まらなくなった場面でした。

そこへ割って入ったのが、同じ事務所の先輩、WEST.の2人です。

  • 桐山照史(きりやま・あきと)=「マリウスく〜ん、聞いてますか〜?」
  • 中間淳太(なかま・じゅんた)=「おい風磨、マリウスいじめんなよ。ええ加減にせぇよ!」

先輩がラジオの中で止めに入るほどで、番組のエンディングではマリウス葉が「もうやだぁ」と拗ねていたとも報じられています。

 

そのマリウス葉が体調不良で活動を休んだのが2020年12月で、惜しまれつつ2022年いっぱいでグループを卒業し、芸能界からも引退しました。

もうひとりの年下だった松島聡も、2018年11月からパニック障害の療養で1年ほど休養。

ふたりの休養や引退の理由とこのいじりを直接結びつける材料は、どこにもありません。

 

それでも逮捕のあとの9月23日ごろからは、Sexy Zoneのころの番組やラジオの切り抜きが、次々とXに流れはじめました。

年上の菊池風磨が、まだ10代だったマリウス葉や松島聡を強くいじる場面です。

当時を知らずに初めて見た人の中には、「イメージが180度変わった」「会社で言うパワハラだよ」と書く人まで出ています。

当時からずっと見ていたファンの中にも、口には出さずに引っかかっていた人がいました。

いっぽうで、「今の風磨が好かれてないからといって、セクゾ時代の思い出まで批判されるのは悲しい」と書くファンもいます。

昔は笑いとして流れていった場面まで、いまは「やっぱりそういう人だった」と見返されてしまうのです。

新メンバーを迎えた日にも同じことをした

7年前のいじりの話がいまも残っているのは、同じような光景がカメラの前でもう一度起きたからです。

2025年2月15日にタイプロで新メンバー5人が決まり、その日の夜のうちに行われたファンクラブ会員限定の生配信について、複数のメディアがこう報じています。

菊池風磨が、新メンバーの原嘉孝(はら・よしたか)を執拗にいじった、と。

「かっこいいな原さん」「原さんやっぱりイケメンだわ」と何度もカメラの前で容姿に触れ、髪型を「レゴみたい」「レゴの人形みたいに髪の毛が外せそう」とまで言いました。

 

原嘉孝も最初は「ビジュアル担当なんでね」と乗っていましたが、生配信の終わりには「そんなに“イケメンイケメン”言うとイケメンじゃないってことになるので」と苦笑いに変わっています。

この初お披露目の配信のあと、SNSのタイムラインは大荒れ。

数日後には、菊池風磨と原嘉孝がラジオで「ちゃんと打ち合わせしてた」「作戦失敗だった」と2人で釈明しています。

それでも、新メンバーを迎え入れたその日に、その相手を執拗にいじって炎上させたという事実は残りました。

いじられていた側に集まる同情

そして今回、逮捕された猪俣周杜のグループ内での「教育係」を務めていたのが同じ新メンバーの原嘉孝だったことから、この人に同情が集まっています。

タイプロのころから、原嘉孝は年下の新メンバーにLINEで礼儀を教える役をひとりで引き受けていました。

一般から入った人を含むほかの新メンバー4人の面倒を、同じ新メンバーのひとりに任せる形。

この形には当時から「丸投げではないか」という声が一部でありましたが、今回、その裏で教えていた相手が逮捕されました。

 

裏で苦労して教えていた原嘉孝には同情が集まり、表でその原嘉孝をいじっていた菊池風磨には批判が向く。

あの1年7か月前の生配信を覚えている人ほど、この教育係との落差が目につくはずです。

このポストが書かれたのは、逮捕の5日前。

菊池風磨に向けられたこの空気は、今回の事件が起きるずっと前からくすぶっていたんです。

下に人がついたときだけ崩れている

炎上したのはどれも、菊池風磨が年下やキャリアの浅い後輩に囲まれていたときでした。

16歳で年長組に入ったSexy Zoneで、下に弟分が3人。

31歳で名実ともに最年長になったtimeleszで、自分が最終審査で選んだ5人が下に。

いっぽうで、YouTubeの「よにのちゃんねる」で先輩の二宮和也や中丸雄一に囲まれているときや、同世代のSixTONESと並んでいるときに、同じ炎上は起きていません。

タイプロは、その苦手な場所へ自分から立ちにいった企画だったのでしょう。

答え合わせに使われた山田涼介の言葉

ここにさらに火をつけたのが、1年7か月前のYouTubeの動画でした。

2025年2月16日に配信されたよにのちゃんねるの回で、山田涼介が菊池風磨に新メンバーの話をしています。

  • 「金銭感覚も含めて、いろんなことがガラッと変わる」
  • 「やっぱ変わっちゃうと思うの、人として」

新メンバー5人の加入が発表された翌日に撮られた回で、そのとき動画の中で話題になっていた5人の1人が、今回の猪俣周杜でした。

だから切り抜きには「先見の明がすごい」という言葉がずらりと並んでいます。

ただし山田涼介が動画で力を入れて話していたのは、環境で変わってしまう後輩を、先輩としてどう支えるか、という続きの部分でした(山田涼介の先見の明)。

予言を当てた先輩がSNSで持ち上がるぶん、忠告を聞かなかったことにされた後輩が下がります。

 

こうして一度流れができると、何を出しても燃えます。

9月20日に猪俣周杜を除く7人で出した連名のコメントは「文章が幼稚だ」と言われ、翌日に菊池風磨が会員制のブログで書いた「非常に残念で不甲斐なく、慙愧(ざんき)に堪えません」は「難しい言葉で挽回しようとしている」と言われました。

この一文は、ファンクラブの有料会員限定のブログから切り取られて外へ出たものです。

やさしく書けば幼稚、きちんと書けば背伸び。

ここまで来ると、もはや謝罪の文面の出来不出来の話ではありません。

釈放のあとも決まらなかった処分

菊池風磨へのバッシングがここまで一方向へ流れ続けているのには、もうひとつ理由があります。

本来いちばん前で責任を負うはずの逮捕された本人の処分が、なかなか決まらなかったことです。

逮捕のときは容疑を否認していた猪俣周杜も、9月25日に処分保留で釈放されました。

警察署を出るときには報道陣の前で20秒以上頭を下げ、女性側との示談も成立したと報じられています。

処分保留は、起訴するかどうかをまだ決めないまま、身柄だけを解いた状態です。

 

ただ、所属事務所は「当局の処分が確定し次第、正式に決定して公表する」と言ったまま、10月に入るまで次の発表を出していません。

猪俣周杜に向けるはずの怒りの行き先が、決まらないまま宙に浮いていたんですよね。

釈放されても復帰に反対する声が消えなかったのは、示談と釈放では許されない業界事情があるからです。

 

タイプロの企画が社内でどう決まったのかも公表されていませんが、ネット上にはこう見ている人もいます。

オーディションで仲間を選んだ責任を問う声と、殴った本人の責任を問う声は、まったく別のものです。

その種類の違う2つが、いま菊池風磨ひとりのところへ流れ込んでいます。

ラジオで口にした「しかるべく決断」

9月27日、菊池風磨は自分の冠ラジオ『菊池風磨 hoursz』(TOKYO FM)の冒頭で、はじめて自分の声でこの件に触れました。

「今までにないほどに残念で、悲しく、言葉にすることができない感情です」

そのうえで、今後についてはこう話しています。

「我々でしかるべく決断して、決まり次第、すぐにでもお伝えできるよう努めます」

 

ところが、この肉声にも冷ややかな声が向きました。

「脱退させる」とは言わなかったこの言い方から、残留もありうるのではと受け取った人がいて、残せばグループの株が下がると心配する声や、「最低でも脱退」と書く人まで出ています。

週刊誌には、2018年に山口達也の復帰を会見で退けたTOKIOの松岡昌宏と比べる記事まで出ました。

菊池風磨を気づかうファンの中にも、同じ答えを望む人がいます。

その答えが出たのは、ラジオから4日後のことです。

メンバー7人に委ねなかった最終判断

10月1日の朝、事務所が発表したのは、猪俣周杜との契約を前日の9月30日付で終えたという知らせです。

この先のtimeleszは、菊池風磨をふくむ7人で動いていきます。

その発表文には、菊池風磨の「我々でしかるべく決断して」を引き取るような一文が入っていました。

「今回の契約解除は、会社としての経営判断となり、その最終判断は他のメンバー7名に委ねたものではなく、かつメンバーに処分の責任を負わせるものではありません」

さらに、7人は問題の行為を前もって知らず、関わってもいないこと、予見できる兆しに気づいていた事実も確認されていないことまで書かれています。

 

決めたのは会社で、メンバーの7人ではないと、事務所が自分の名前で書いたわけです。

この一文を読んで、ほっとしたファンもいます。

いっぽうで、事務所が「7人に責任はない」と言い切ることに反発して、「タイプロの責任は取ると言っていたのでは」と問う声も消えてはいません。

自分から前に立ってしまう菊池風磨

あのオーディションは歌やダンスの実力より先に人柄の言葉で合格を告げる形になっていて、その言葉をいちばん多く口にしたのも菊池風磨でした。

そして今回、7人のなかでいちばん硬い言葉を選び、ただひとり自分の声でも謝ったのも、この人。

いっぽうで、長く応援してきたファンはこう見ています。

場を自分で回そうとする人だから、うまくいけば座長になり、崩れれば全部を浴びる。

見ているほうまでしんどいのは、これまで預けてきた気持ちごと、いまの菊池風磨に向けられているからかもしれません。