「すとぷりのさとみでした。」

2026年10月18日の18時半、さとみが自分のXに出した卒業の発表文は、この一行で結ばれていました。

そのわずか2分後、リーダーのななもりも、グループからの卒業を発表しています。

すとぷりの公式アカウントが18時に「今後の活動に関する大切なお知らせがあります」と書き、20時から6人で生配信をすると予告してから、30分ほどあとのことでした。

 

いきなり2人の知らせが重なって、気持ちが追いつかない人も多いはずです。

ファンからは、冗談であってほしいと願う声も出ています。

ななもりは2025年の初めから活動を休んでいたこともあって、愛称の「なーくん」を使い、「なーくんはさておきさとちゃんも?え?なんで?」と書く人もいました。

さとみはなぜ卒業を選んだのか、どうして2人が同じ日だったのか、4人になるすとぷりはこれからどうなるのか。


2人が書いた卒業の理由

さとみは「卒業を決めた理由をひとことで伝えるのは難しいですが、僕なりの言葉で書かせてください」と前置きしていました。

去年の活動休止から戻ってきてからの1年、すとぷりの中で自分がどうあるべきかを、ずっと考えてきたそうです。

そして挙げていたのが、次の3つ。

  • 「普段からグループを支えてくれているメンバーがいる中で、今の自分の関わり方がこのままでいいのかということ」
  • 「10年という節目を迎えた今、さとみ個人として、もっと自分の力を試してみたいと思うようになったこと」
  • 「僕を好きでいてくれる人たちの前では、これからもずっと、自分らしいままの僕でいたいと思ったこと」

「いろんな気持ちが重なって、何度も考えて、最後に出した答えが卒業でした」とも書いています。

配信や動画は、これからも「さとみとして」続けていくとのこと。

 

いっぽう、ななもりの発表文には、さとみのような具体的な理由は書かれていません。

「何度も悩み、考えました」としたうえで、「これは、僕自身の意思で決めたことです」と言い切っています。

「僕の気持ちを聞いて、何度も話し合い、最後には受け止めてくれたメンバーのみんな、本当にありがとう」という一文もありました。

2人とも、いつ卒業するのか、その日付は書いていません。

しかも、2通の発表文のどちらにも、もう1人の名前は一度も出てこないのです。

同じ日になった理由も、どこにも見当たりません。

手がかりがあるとすれば、さとみが「10周年を迎えて、すとぷりが次の1年に向かっていく前に」と書き、ななもりも「10周年という大切な年に、このような報告をすることになってしまい」と謝っていること。

2人とも、結成10年の節目を区切りに選んでいました。


「卒業」がよぎった去年

さとみの「去年の活動休止」は、2025年7月から11月までのこと。

デイリースポーツの記事によると、2025年7月13日にYouTubeで休止を発表したさとみは、「グループとしての自分と個人としての自分、どちらも大切で、どちらも嘘をつきたくない」と話していたそうです。

個人での活動は続けながら、すとぷりとしての活動だけを9月後半ごろまで止める予定でした。

 

実際にさとみが戻ってきたのは予定より2か月ほど遅い2025年11月23日、緊急の生配信の場で。

J-CASTニュースによると、さとみはその配信で「本日より、すとぷりとしての活動に復帰させていただきます」と話し、続けてこうも打ち明けていたそうです。

「正直に言うと、『卒業』という言葉が頭をよぎったこともありました」

そのうえで「僕は僕なりの形で、すとぷりというチームを、これからもちゃんと支えていきたい」と話し、グループの配信には毎週ではなく自分のペースで出て、ライブや曲づくりにはこれまでどおり関わっていく形を選んだ、とのこと。

今回の発表文の「今の自分の関わり方がこのままでいいのか」は、11か月前に話したこの「僕なりの形」のことを指していると読めます。

 

そして2026年6月から8月まで続いた10周年のアリーナツアーにも、さとみは出ていました。

東京での最終公演(ファンのあいだでは「アリツアオーラス」)を終えたあと、Xにはこんな言葉を残しています。

それから2か月。

あのとき「頭をよぎった」と打ち明けていた卒業を、さとみは自分で選んだのです。


6人がそろった時間

もう1人のななもりの卒業には、さとみとは違う事情があります。

すとぷりは2016年6月4日、ななもりの呼びかけで結成されたグループで、動画や生配信から人気が広がり、2023年にはNHK紅白歌合戦にも初めて出場しました。

メンバーは、ななもり、さとみ、ジェル、ころん、るぅと、莉犬の6人。

その呼びかけ人のななもりは、すとぷりが所属する会社STPRの社長も務めていた人。

2024年12月には、2025年1月12日の埼玉スーパーアリーナ公演を最後にタレント活動を休み、裏方のプロデュースの仕事に専念すると発表していました。

2026年6月に社長を退いて「取締役プロデューサー」になりましたが、ステージへの復帰は発表されないまま、今回の卒業を迎えています。

 

ここ数年のすとぷりの歩みは、次のとおり。

  • 2022年3月 ななもりが活動休止
  • 2022年5月 東京ドーム公演を5人で開催
  • 2023年8月 ジェルが体調不良で活動休止
  • 2024年1月 ななもりとジェルが戻り、6人での活動を再開
  • 2025年1月 ななもりが埼玉スーパーアリーナ公演を最後にタレント活動を休止
  • 2025年7月 さとみが活動休止(11月に復帰)
  • 2026年6〜8月 10周年のアリーナツアー
  • 2026年10月18日 ななもりとさとみが卒業を発表

2022年3月にななもりが休んでから今日まで、6人がそろって活動できていたのは、2024年1月27日から2025年1月12日までの1年足らずでした。

それ以外のときは、いつも誰かが休んでいる形。

 

だから、ここ数年すとぷりを応援することは、誰かが戻ってくる日を待つことでもありました。

18時の予告を見た直後には、こんな予想も。

さとみの「完全復帰」は、配信に出る回数を減らしている今の形が元に戻る、という意味で使われている言葉。

大切なお知らせと聞いて、卒業と同じくらい、復帰を思い浮かべた人もいたのです。

いっぽうで、ななもりとさとみのファンを気づかう声も出ていました。

ここにある「ジェルくんの活動もひとつ潰された」が何を指すのかは、確かめられていません。

今回の2人の卒業は、2人がグループを抜ける話であると同時に、6人がそろう日を待ち続けてきた時間が終わる話でもあります。


すとぷりはどうなる

残るのは、ジェル、ころん、るぅと、莉犬の4人です。

ななもり、さとみ、ジェルの3人はファンのあいだで「大人組」と呼ばれてきたので、ジェルのことを案じる声も上がっています。

莉犬のことを気にかける声も。

「🐶くん」は莉犬のこと。

それでも、すとぷりはこれまでも、6人そろわないまま大きな舞台に立ってきました。

ななもりとジェルが休んでいた2023年ごろを振り返って、ツアーを終えた8月の末にはこんな投稿も。

この投稿の「4人」は、ななもりとジェルがそろって休んでいた2023年ごろの、ころん、るぅと、さとみ、莉犬のこと。

残る4人のうち、ころん、るぅと、莉犬の3人は、そのときもステージを守っていた顔ぶれです。

ななもりは発表文に「これからの4人なら、きっと僕が想像もできないような景色を、すとぷりすなーのみんなと一緒に見せてくれると思います」と書きました。

「すとぷりすなー」は、すとぷりのファンの呼び名です。

さとみも「僕も、これからのすとぷりを応援しています」と書いています。

2人が卒業を発表した時点では、4人での今後の活動や予定について、公式からのお知らせはありませんでした。


言えなかったお別れ

さとみの発表文の終わり近くには、こんな一文があります。

「みんなの前でちゃんとお別れを言えないこと、本当にごめんなさい」

その少し前には「僕にとってライブは、言葉を交わさなくても、目線だけでみんなと会話できる場所でした」「10周年のツアーで、みんなと交わした目線のひとつひとつを、ずっと忘れません」とも書いていました。

卒業のライブのように、ステージの上で最後の挨拶をする場は設けられない、と受け取れる言葉です。

ななもりのファンとみられる人からは、こんな投稿も出ています。

「もりす」はななもりのファン、「🐱くん」はさとみのこと。

 

予告どおりの20時すぎ、さとみは自分のXに生配信のリンクを貼って、こう書いています。

始まった配信には、ななもりも顔を見せていて、見ていた人からは「久々の6人公式配信が卒業報告なんて…」という声も上がっていました。

卒業を伝えるために、6人がそろう。

何度も待ち続けてきた「6人」は、ステージの上ではなく画面の中で、お別れのために集まったわけです。

1年近く悩んで出した答えだと分かっていても、6人がそろったステージでお別れを言う日が来ないまま10周年の秋が過ぎていくのは、切ないですね。